Roni Ben-Hur / Talk Jazz Guitar
リーダ作も何枚かリリースしているジャズギタリスト、ロニ・ベン・ハーによるATNから出ている教則本「(バリー・ハリス・メソッドに基づくビバップ・スタディ)トーク・ジャズ・ギター」です。
翻訳監修はニューヨークにあるニュー・スクール大学でも教鞭を執っていたギタリスト、井上智氏です。
ちょうど先日古本で随分安く入手(CDは付いていませんでしたが・・)したのですが、2013年に「改訂版 ギターで弾くバリーハリスメソッド ビバップギターバイブル」として新たに加筆等がされたようです。
この本はタイトル通り、ピアニストであり教育者であるBarry Harrisが打ち出しているビバップのコンセプトを基に、ギター用にアレンジしたものです。
内容は、ざっくり言うとコードに対するスケールのエクササイズ集です。
その中で気になったのはディミニッシュについてのエクササイズです。
スタンダード曲を演奏すると、良くⅠmaj-#Ⅰdim-Ⅱm-bⅢdim-Ⅲm(It Could Happened To You, Easy Living, Once I Loved, etc)っていう進行ありますよね??
実はディミニッシュには2種類ありまして、起点となるコードから上昇するものと、下降するものがあります。
上記のプログレッションは上昇するものですが、実はこれドミナント7thのb9コードと同じになります。
つまり上記のコード進行はⅠmaj-Ⅵ7b9-Ⅱm-Ⅶ7b9-Ⅲmに変える事ができて、マイナーのツーファイブとして解決させる事が出来ます。
簡単なのはHarmonic Minor Scale(ハーモニック・マイナー・スケール)で対応させる事ですね。
しかし、かっこ良くディミニッシュも使ってみたいですし(笑)、あともう一つの下降するものについては、それ自体では解決先を持たない、つまり上記で紹介した方法は使えないものがあります。
有名な曲ではSomeday My Prince Will ComeやAll The Things You Areなどがあります。
本書にあるエクササイズの一つとしてⅠm6-Ⅱ7b9-Ⅴ7b9のマイナープログレッションでのディミニッシュ・エクササイズがあります。
Ⅰm6は1,b3,5,6で、Ⅱ7b9はⅠ(or Ⅲ,bⅤ,Ⅵ)dim、Ⅴ7b9はⅦ(or Ⅱ,Ⅳ,bⅥ)dimに置き換えます。
以下はKey of Cmでのエクササイズです↓
このようなエクササイズ(ビバップ・スケール、アルペジオ、ホールトーン、ディミニッシュ、メジャー及びマイナー6thなど)が様々なポジションやキーで練習するように書かれており、地道ですがやった分だけ着実に上達する本だと思います。