Talking About Music

音楽について感じたこと、考えたことを綴っています

Grant Green / Standards

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1. You Stepped Out Of A Dream

2. Love Walked In

3. If I Had You

4. I'll Remember April

5. You And The Night And The Music

6. All The Things You Are

7. I Remember You

8. If I Had You (Alt Tk)

Grant Green (g)

Wilbur Ware (b)

Al Harewood (ds)

Label; Blue Note, 7243 8 21284 2 7

Recorded August 29, 1961 at the Van Gelder Studio

1961年録音の本作ですが、未発表音源としてグラント・グリーン死去の翌年1980年に"Remembering"として発表されたものが、後々1998年に"Standards"とタイトルを変えてリリースされたものです。

グラント・グリーンは、地元セントルイスの高校を中退後、バンドマンとして様々なジャンルを転々とし、その中でスピリチュアル・ソングのグループやアコーディオン奏者のジョー・マーフィのバンドにも所属し、特にジョー・マーフィのバンドでは約2年間、ブギウギ、ロックンロール、カントリーなど、幅広く演奏。

その後にチャーリー・クリスチャンを始め、チャーリー・パーカーのジャズに触れ、ギタリストでは特にジミー・レイニーやケニー・バレルを良く聴いたそうです。

そして、地元でも有名であったテナー奏者、ジミー・フォレストに面倒を見られながら、たまたまツアーでセントルイスを訪れたルー・ドナルドソンの勧めでNYへ移り、また彼の紹介で名門ブルー・ノートへ籍を置きます。

同レーベル創始者のアルフレッド・ライオンは彼の演奏を大変気に入ったらしく、1961年1月に初リーダー作"Grant's First Stand"、同年4月に"Green Street"、同年6月に"Sunday Morning"、同年8月に"Grantstand"と立て続けにリーダー作及びサイド作の録音をし、今回の"Standards"もこの時に録音したものですね。

しかし、ジミー・フォレストから受け継いだドラッグ中毒もあり、1965年に同レーベルを一時離れる事となります。

グラント・グリーンというと、彼のアイデンティティとしてあるブルースから、演奏面でも感性に頼っている面が強いのかなと思っていましたが、実は譜面にも強く、またコードにもかなりの理解があったようです。

それと、グラント・グリーンというとブルース色が強いという印象とは裏腹に、ビバップ的なアプローチが本当に綺麗で、特に目立つのはトリプレッツの多用、同じ音型を使ったフレーズなど、歌心も満載ですね。

以下はM6の"All The Things You Are"のソロ1コーラス目の4小節目から8小節目までを採譜しました↓

アルペジオ、トリプレッツ、オルタードなど、またCmajの箇所ではコードトーンの半音下からアプローチする等、とても洗練されたラインですね。

この曲ではグリーンらしからぬ16分音符なども良く出てきて、ジミー・レイニーを意識したようなソロですね。

それにしも見事なタイム感です。

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こちらもグラント・グリーンのトリオ演奏作↓